リウマチ科・骨粗鬆症

RHEUMATOLOGY-OSTEOPOROSIS

リウマチについて

関節リウマチは、自己免疫の異常により主に手足の関節に炎症が起こる慢性疾患です。炎症によって関節が腫れたり痛んだりし、進行すると関節の変形や可動域の制限などを引き起こします。特に関節リウマチは、女性に多く見られるのが特徴です。正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境因子が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
関節リウマチの治療目標は、痛みや腫れなどの症状を抑えつつ、関節の変形を防ぐことです。血管の炎症により、肺、神経、皮膚などにも症状が現れることもあるため、早期の適切な治療が欠かせません。症状が軽い段階で専門医に相談し、適切な治療を開始することが、生活の質を維持するために大切です。

検査について

当院では、関節リウマチの早期診断を重視しています。そのためレントゲン検査や血液検査をおこないます。
※患者様の症例および処方薬の種類によっては、追加の検査が必要となります。
※治療開始後も、薬の効果や副作用の有無を確認するため、定期的な血液検査などを行います。

治療について

関節リウマチの治療目標は、関節の炎症を抑え、痛みや腫れを和らげ、関節の破壊や変形を防ぐことです。同時に、日常生活動作の維持・改善も目指します。
当院では、まずメトトレキサートを中心とした内服薬(他にはサラゾスルファピリジン、イグラチモド、タクロリムスなど)で治療を始めます。効果不十分な場合や関節破壊が急速に進行している場合は、生物学的製剤やJAK阻害薬の使用の検討や近くのリウマチ専門施設にご紹介いたします。また、関節の破壊が進行し、日常生活に支障をきたす場合には、整形外科的な手術療法も検討します。

メトトレキサート
メトトレキサートは、炎症を抑制し、関節の破壊を防ぎ、症状の進行を遅らせる作用があります。そのため抗リウマチ薬の第一選択薬となっており、世界的に見ても、関節リウマチの治療薬として広く使用されています。

リハビリテーションでの治療

当院のリハビリテーション科では、病気やケガによって生じた運動器官の障害の回復や予防を専門的にサポートしております。
運動器官とは、身体の動きに関わる筋肉、骨、関節、腱、靭帯、軟骨などの総称です。これらの器官に生じた問題を改善し、患者様の快適な生活を取り戻すお手伝いをするのが、リハビリテーションの役割です。

骨粗鬆症について

骨粗鬆症の検査に関しては、まず問診で、現在の症状や既往歴などを詳しくお伺いします。その後、骨密度検査、血液検査、尿検査などを組み合わせて、骨粗鬆症の正確な診断を行うのが基本的な流れです。
骨粗鬆症は、骨密度と骨質を改善することで予防・治療が期待できます。そのためには、早期発見・早期治療が欠かせません。しかし、痛みなどの自覚症状が起きにくいので、検査・治療が遅れるケースも多い状況です。ぜひ以下のような危険因子に該当する方は、一度検査を受けることをおすすめします。

危険因子

骨密度が低い / 偏食や不規則な食生活 / 無理なダイエット / 運動不足 / カルシウム摂取不足 / やせすぎている / 喫煙している / 飲酒量が多い  など

検査について

当院では、問診により現状の痛みや過去の病歴などを伺った後、必要に応じて骨密度検査、血液検査・尿検査などを組み合わせて、正確な骨粗しょう症の診断を行います。「骨密度」と「骨質」を改善すれば、骨粗しょう症は予防・治療が可能です。痛みなどの自覚症状がなくても、下記のような危険因子に当てはまる方は、一度受診をご検討ください。

治療について

骨粗鬆症は、骨密度と骨質を改善することで予防・治療が可能です。そのため、当院では、まず問診で現在の症状や既往歴を詳しくお伺いします。そして骨粗鬆症の可能性が高いと判断した場合は、骨密度検査、血液検査、尿検査などを組み合わせ、正確な診断を行います。
明らかな症状がなくても、以下のような危険因子に該当する方は、一度検査を受けることをおすすめします。

食事療法

骨粗鬆症の予防と治療に欠かせないのが、バランスの取れた食事です。カルシウムは骨の主成分として有名ですが、それだけでは不十分です。あわせてカルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成を促進するビタミンKなど、多様な栄養素を摂取する必要があります。ただし、これらをすべて取り入れたメニューを作るのは困難です。そのため当クリニックでは、骨粗鬆症に精通した看護師と理学療法士が、わかりやすい食事指導を行っています。

運動療法

骨量を維持し、骨粗鬆症に伴う転倒のリスクを減らす上で運動は非常に効果が見込めます。なぜなら骨を支え、守るのは筋肉の力だからです。
骨量および筋肉量をアップさせるには、ハードなトレーニングを行う必要はありません。ウォーキングなどの有酸素運動を、ややきつめの強度で行うのが効果的です。
無理のない範囲で、楽しみながら体を動かす習慣を身につけましょう。当院のスタッフが、あなたに合った運動プログラムをサポートします。

薬物療法

骨粗鬆症の治療薬は大きく分けて、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制薬」と、骨の形成を促す「骨形成促進薬」の2種類があります。また、骨の健康に欠かせないビタミンD製剤やビタミンK製剤なども用いられます。どのような薬剤を選択するかは、患者様の骨密度や症状の進行度、全身の健康状態などを総合的に評価した上で、医師が慎重に判断します。また、定期的な検査を行いながら、薬物療法の効果を継続的にモニタリングすることも欠かしません。

薬物療法例

[内服療法]

  • ホスホスホネート : 月1回内服、週1回内服(内服方法に注意が必要です)
  • SERM : 毎日服用
  • ビタミンD3 : 毎日服用 など

[注射療法]

早急に骨密度を改善する必要のある方、又は骨折の危険性の高い方に効果があります。

  • テリパラチド(PTH製剤) : 週1回来院
  • フォルテオ : 自宅で毎日
  • 抗RANKL抗体 : 半年に1回+毎日カルシウム製剤 など